2018年1月10日水曜日

日本人のお客さま その ①

外資系エアラインを好んで選んでいる方と、そうでない方がいらっしゃって、
何度かこのようなお声を耳にしました。

「JALなら揺れない」

これ、いわゆるJAL神話


※海外に行くのに不慣れでJAL(日航と呼ばれた時代)しか知らない人や、
国内航空会社としてはJALが唯一就航していて値段も他の航空会社より高くそれにステータスを感じる人

気象条件は同時間帯に離陸するどの飛行機も同じ、しかも大型機。
パイロットはいつも揺れない快適な飛行を目指して日々努力していますので
とても複雑な気持ちになりました。

団体航空券を使ったツアーの場合、団体航空券は50人なら50人分を
まとめて前日夜に発券されるためツアーをご利用のお客さま側で
指定することはできません。
旅行会社または依頼を受けた空港送迎係員が名簿を元に割り振りを行います。
これは当日(または前日夜)に行われるため、集合時まで不明なのです。
担当者はグループ同士が離ればなれにならないように配慮しますが、
GWやお盆・年末年始などの繁忙期には難しいこともあります。
利益率の高い個人のお客さまが事前座席指定をしており、

前方・窓側・通路側の順で予約が埋まっていくので、

最終的に団体には中央席や後方に固める仕組みになっています。



Crewが出来ることといえば空席への移動ですが、
満席の場合は他のお客さまのご協力いただけない限り難しいわけです。
必ずしもご希望に添えないところが心苦しい。。

それらを踏まえてお話しさせていただいても、
難癖をつける方は固定概念で言っているため
正論を聞くのは面白くないのです。

団体の場合は厄介で、認知欲求が非常に高くツアー中の自分の立ち位置を
確立したい心理が働いていることも。。

筋の通らない責めを負うことは個人としてはストレスですが、
反論せずに伺ってみますと、どうしたらファンになっていただけるのか、
そのヒントが見つかることもあります。

理不尽なことにも前向きにお声掛けすることで、周囲の方々を味方にし、
乗り切ることもできるのです。

「弊社のトップ3に入る機長が操縦しておりますので、
その技量を審査していただけますでしょうか」

「これぐらいしか揺れなくて、お客さまは運がよい方です」

「天候が不安定な中、定刻に到着できますのもお客さまの
運がよいからです」

「台風の影響を受けることなく目的地に向かえますのも、
ご搭乗になりました皆さまの強運のお陰でございます」


そこで起こっている事実は変わらないし、
誰にでも思考の癖があって相手のそれを変えることもできません。
だからこそ一期一会のその時を、どのように過ごせばお互いに快適か
手腕が問われるところで日本人Crewの醍醐味だと思います。

振り返ってみると外資系エアラインの地位向上に励むことも
モチベーションの一つだったかもしれません。
(海外からすればA〇Aってどこの国?なのですが)

今となっては、あの時の日本人のオジサマ方に
ありがとうございます、の気持ち(笑)


雲一つない快晴であることを願っています🌈




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