2017年12月29日金曜日

暴れるお客さま

出国ラッシュがニュースで流れていますね。
満席の飛行機が重たそうに離陸していく姿に、繁忙期の大変さがよみがえる今日この頃😑


今年は数多く機内で乗客暴れ遅延・傷害容疑で逮捕というタイトルで
ニュースやワイドショーなどで取り上げられていましたね。

フォマートフォンで誰もがいつでもどこでも気軽に動画を取れる
❝一億総カメラマン時代❞を実感します。

この主人公となる暴れるお客さまですが、見た目のインパクトが強いだけに
悪者扱いされてしまいがちです。


果たしてそれを鵜呑みにしてよいのでしょうか。


もちろん安全阻害行為にあたる場合は規定に沿った対応が必要となるわけですが、
必ずしも極悪人かというとそうではありません

連行され、事情聴取ともなれば正気を取り戻され
「なぜ、そのようなことをしてしまったのかわからない」
とこぼされることがほとんどであると聞きます。

例えば、泥酔するのは実はストレスを軽減させたい気持ちの表れであり
要は恐怖心を紛らわせるためだったりするのです。
飛行機恐怖症の人が感じる怖さや不安は、
そうでない人には想像もつかないほど深刻なものなのです。

飛行機恐怖症だけでなく、閉所恐怖症、広場恐怖症などのパニック状態に
陥ってしまうことは誰にでもあり得るのです。

画像はお借りしています

空港に到着したとたん、頭が痛くなって座り込んでしまったというのは
予期不安の一例でしょう。
これは実際には体験していないのに不安を覚えてしまったり、
過去に経験した恐怖や不安を急に思い出してしまうケースのことです。

ご本人や周囲の方々が把握していらっしゃればよいのですが、
突然、過呼吸になり、そのような自分に驚かれるさらにパニックに陥ることも。。

飛行中はぐっすりとおやすみだったのに、着陸前のアナウンスで目を覚まし
シートベルトを締め直そうとしても手がしびれて呼吸も困難になり
Crewに助けを求めるお客さまもいらっしゃいます。
これは過度の緊張やストレスを抱えるビジネスパーソンに多い気がします。

First Aidの訓練通りに既往症を確認したうえで、過呼吸の応急措置を行うと
落ち着きを取り戻される方がほとんどです。

回復されて飛行機を降りて行かれる様子を見るとほっとするところですが、
「帰国便はアドバイスがうまくいけばよいな」と祈るばかり。

【参考】飛行機恐怖症の克服







実際にこのようなことがありました。

高校の修学旅行で訪れたハワイ。
しかし帰国便に搭乗したとたんパニック障害を発症、数ヶ月の入院。
何度か搭乗を試みるもうまくいかず、ようやく搭乗できた便でも
すべてのお客さまがご搭乗になってから1時間以上経ってからようやく着席。
周囲を家族で囲み、接触するCrewも最小限に抑えて自宅にいるような環境を作り、
無事に日本に戻ることができました。


ここで一番難しかったのは、待たされている側のお客さまはの対応。

「なぜ遅れているのか」「機体に不備があるのでは」
など新たな不満や不安を覚えてしまわれること。。
もし多くのお客さまが同調して不満が爆発してしまえば収拾がつかなくなりますから、
それが一番怖いのです。

症状は個人情報にあたりますし、刻一刻と状況は変わっていたので
アナウンスも歯切れが悪い状態となってしまい、
当然ながら一部のお客さまからは事情説明を求められました。
正直なところ、どのように説明しろと指示や共有はされていなかったため
どのようにお答えしようかと、一瞬、躊躇してしまいました。


皆さんならこの場面で、どのように応対しますか?


絶対的な回答があるかというと、そうではありません。

お客さまに応じて話し方・お伝えのしかたが変わってきてくるのです。
もちろん周囲のお客さまも耳を澄まして聞いていらっしゃいますから
適当なことは言えませんしね。

皆が納得するために、自分の言葉を駆使するしかないのです。

現在進行中フィンランド航空のビデオインタビューや最近の国内エアラインでも
ロールプレイングの質疑応答が多くなりつつありますので、
さまざまなことに思いを巡らせておかれてはいかがでしょうか。


そのヒントになりますように😉


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