2020年1月20日月曜日

春節がやってくる

今日は大寒、一年で最も寒いとされている日です。
小正月を過ぎて、どんど焼き(地域によっては左義長)で
しめ縄や正月飾りを燃やして一年の無病息災を祈りました。

今週からは春節連休で来日する宿泊者向けに旧正月のお祝いのため
屋上に赤い提灯のデコレーションなどが行われていますね。

この時期は13億人もの中国人が大移動する祝日として知られていますが、
(何時間も狭い空間で過ごす濃厚接触が心配)
今年は例年より早く124日が一日目(日本で言う元旦)となっていて
30日まで休暇とのことです。
大陸だけでなく全世界の中華系はこの春節期間中に帰省して
家族と一緒に過ごすのです。

Crewはというと、日本人の年末年始と同じく休みの申請が重なる時期で
人出が少ない会社もあります。

12月に翌月のロスター(スケジュール)を見て

「ああ、助かった😃」
「あああ、当たった😣」

と一喜一憂するのですよ。

ラマダンは424日から1ケ月続くので特定の日はあるようでないのですが、
とにかく242526日の日本到着便と272829日の日本出発便の
乗務が厳しくなるので避けたいのが本音です。

短距離路線なのに、なにがそんなにと思われるかもしれませんが、
機内は凄惨を極める状態になることも・・・😵


例えば


・部上のコンパートメントを独占しようとする
(占有したいというより共有するという概念がない)

・着席した瞬間からリクライニングを最大限に倒す
(一人が操作しだしたらそれを見て周囲が一斉に全開にする)

・席が気にいらないからと出発後に席替えを始める
(着席完了、出発準備完了の報告をしたのに)

・肌身離さず携帯するお茶用水筒に「お湯を入れろ」との要求が止まらない
(搭乗開始から降機まで)

・離陸直前、滑走路まで携帯電話の使用を止めない
(注意するの声を聞かない)

・靴・靴下を脱いで前の座席に足を投げだす
(とにかく場所取り)

・裸足でクラスを関係なく縦横無尽に歩き回る
(トイレもなんのその)

・トイレの床や扉の隅に痰を吐く
(客室の床も異常に汚れる)

・依然として席が気に入らず8番の席を徘徊する落ち着きのない人が続出する
(我先にと交渉し出し、縁起を担ぐためにお金を渡す)

・上位クラスの席に勝手に座る
(平然と毛布をかぶって寝ていたりする)

・大声でしゃべり続ける家族や団体客
(呼んでいるのか、単にこっちを向いて話しているのかわからない)

・トランプを出してカードゲームを始め、それを観戦する立ち見が出る
(賭け事大好き)

・ミールカートを交換するために一旦ギャレーに戻ろうとすると
「まだもらってない!」と一斉に手を挙げて必死に主張する
(後部座席は同じ状況だし、呼ばれると余計にサービスが遅れる)

・食事後のトレーは悲惨でカートに片付けるのも一苦労
(食べ散らかすことが善という感覚)

Crewを呼ぶとき躊躇なく体を触る
(制服を引っ張られるだけでなく腕を掴まれる)

・機内販売を奪い合うように買い求める
(手荷物もたくさんあるし、お土産は十分そうなのに)

・喧嘩が始まり罵り合いだけでなく掴み合う
(仲裁に入ったCrewが巻き込まれる)

・四方八方からタブレット端末やスマートフォンの大音響がする
(小金持ちの象徴なのかも)

・泣きわめく乳幼児、通路を走り回る子どもを気にかけない親たち
(周囲も気にしていない)

・髭を剃る、爪を切るだけでなくハサミで子どもの髪を切ったりもする
(刃物は持ち込み禁止なのに)

・ポケットから自慢のペットである小鳥を出してくる
(どうやって持ち込んだのか)

・劇辛カップ麺の臭いを充満させる
(温かい食べものが健康に良いと信じている)

・着陸準備中に子どもがいないので探すと床で寝ている
(隠されているか床に同化して見えない)

・着陸態勢に入ってから太極拳のように体を動かし始める
(ラジオ体操のようで途中では止まらない)

・着陸した瞬間に外に出ようとする
(ドアに手をかける人もいる)

・身支度せず我先にと降機するので忘れ物が多い
 (取りに来ることが少ない)


飛行時間が長くない分、水平飛行にすべきことが山のように発生して
本当にヘトヘトになってしまうのですよ・・・😫


一般庶民が飛行機に乗れるようになったのは2000年代になってからのこと。
彼らにとっては一大イベントです。
一族や友人知人、ご近所周りに触れ回って意気揚々と旅に出るのでしょう。
にもかかわらず航空業界はコスト削減に取り組んでいて
王様扱いをされるつもりで搭乗したのにまったくの肩透かし。
さらには経験したことのない規則の厳しさに思わず激昂してしまうのでしょう。

もちろんすべての人がそうではありません。
都市部のインテリ層やエリートたちは自分たちの問題に自覚があるので
マナーを意識した行動をなさいます。
航空券の価格が高い低いの違いによってその便の客層も全く違ったりするのです。
(チケット争奪戦があるのでどちらにしても安くはない)

日本だってバブル時代はお金持ち集団であった農協の団体客が
機内で飲んで騒いで世界のホテルを浴衣姿で闊歩してマナー違反をしていたし、
GW・お盆・年越年始のハイシーズン(ピーク)にご搭乗になるお客さまの

❝お金を払った分だけのサービスを受けたい❞

という心理とさほど変わりないと考えれば
愛すべきお客さまなんですよね😁

その体験を経なければCrewになったとは言えないかも❓❕
一言で言うと『修行』ですね。
ここで徳を積んでおけば不徳は相殺されるだろうと
広い視野を持って「人のためになること」を考えなければいけません。

Crewっていうのはメンバーに自己満足や自己顕示欲が強い人が
不幸を招くことを経験値で知っているんですよ。
(いわばトラブルメーカー)
そこにいる誰もが事件事故に巻き込まれないためにも
無私無欲で行うことで本当の徳を積もうとするのでしょう。



「化粧室で煙草を吸う人がいませんように」

「非常口ドアに手をかける人がいませんように」


Crewと現地を知っている在留邦人(駐在や留学生の方々)の
祈りが聞こえてきそうです🙏


移動する方々やお迎えする側の人々が
新型コロナウイルスの猛威にさらされませんように。


Skywards




2020年1月19日日曜日

戦う客室乗務員 その ③

❝戦う❞
タイトルが物々しいのですし、本来であれば
❝闘う❞を用いるべきところなのですが
あえてこの言葉にしています。


華やかさだけではない部分も知ってもらって、それでもなお、
愛すべき職場だということを理解していただけると
嬉しいなと思って書いております📝

戦う客室乗務員 その ①
戦う客室乗務員 その ②


そう、ウイルスとの闘いだけでなく、見えない敵はまだあります。

お客さまに自宅でくつろいでいるかのように
機内をしつらえているので地上と同じだと思いがちです。
しかし地上約10 Kmを飛んでいるジェット旅客機の客室は
想像以上に過酷な環境です✈

最新の787型機は巡航高度に達したときの気圧高度は約1800m
湿度は20%程度です。
従来機より乾燥は改善されてはいますが、
機内温度の設定自体は変わりません。

なによりも制服を着ているので苦労は絶えない


大先輩がご活躍なさっていたバブル前の全盛期には
夏服・冬服と二種類が支給されていました。
(帽子や手袋、ストッキングの支給もあった)


バブル崩壊後はコスト面だけでなく素材そのものの性能が上がったため
オールシーズン用としてデザインされています。
受付やイベントコンパニオンと異なり作業着ですから、
動きやすくシワになりにくく通気性がよいことが第一条件です。

また制服変更に伴う選定の際にはプロジェクトメンバーが
地上モックアップでサービスの動きを意識して着用してはいるものの、
実機では繁忙期に伴って荷物の上げ下ろしなどにより
激しく汗をかくこともあるのです。
(トラブルに嫌な汗をかくことも💀)

日本をはじめ東南アジアの国々は湿度が高くて
空港の外に出ると汗が噴き出る状態😵


「汗で制服が張りつく」

「制服に汗ジミが出来る」

「制服から汗の臭いがする」

これらの悩みを解消するためにユニクロのインナーに
お世話になっている人がほとんどで、夏はエアリズム、
冬はヒートテックがマストアイテム。

制服をきれいに着こなすためには中に着込めないので、
極暖ヒートテックや超極暖ヒートテックは
寒冷地へ向かうスーツケースに忍ばせています。
(極寒の地で帽子をかぶらず外出したら、死ぬ気かと言われました😨)


ときどき極度の冷え性の人が制服の袖から超極暖をチラ見せしていて
プロ意識のなさを残念に感じる方もいるでしょう。
同僚としても規定のストッキング(25デニール)を重ね履きしていたり
もやはタイツではと思う透け感のないものを着用している人がメンバーだと
その妥協する姿勢から信頼がおけない気がしてしまいます。


ただ、心情的にはわからないでもない
それだけ過酷な環境であるとも言える



プロ意識のある人は薄手のインナーに使い捨てカイロを
肩甲骨の間にある「風門のツボ」や
おへその反対側の「命門のツボ」に貼っています。

Skywardsはというとやってみたものの、
代謝が良いのか急に熱くなって背中がカチカチ山に・・・🌋
低温火傷になっても困るので乗務中に貼るのは止めました💦

それでも客室のように人気がないため異常に寒く感じる
Crew Bunk/Crew Rest(仮眠室)に持っていく必需品がありました。


それは・・・



お湯を入れたペットボトル



用意するものはホットドリンク専用の空きペットボトルです。
※キャップがオレンジ色のもの


ペットボトルの八分目ぐらいに80度ほどのお湯を注ぎ、
少し水を足します。

これをツボに当てるとお灸と同じような効果を得ることができるのです。
高温ではないので薄手のインナーの上から当てるなどして調節してみると
ほんわり体が温まってくるのです。

緊急避難的にサービスで空になった2リットルの水が入っていたボトルに
もっと低温のお湯を入れてそれを抱いて休んでいる同僚も見かけました。

このペットボトル温灸は代謝が上がり、血の巡りも良くなり、
不眠や肩こり、目の疲れやクマ、腰痛、浮腫み、肌荒れ、胃腸の不調、疲労など、
様々な症状を緩和させたり解消させることに繋がります。

ステイ先もセントラルヒーティングなどでお部屋の温度が低いことがあるので
湯たんぽ代わりにしているんですよ。

旅先などで予想外の寒さに困ったなんていうときには、
一度、この方法を試してみてくださいね😘

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例のTwitterのお方は負のスパイラルは抜けだせないようです。 
体の冷えと脳や心の冷えは密接していると言われていますから、
皆が穏やかに過ごしている場面でも体が冷えていて共感できない
心の冷えがあるのかもしれません。


お金では心の冷えを溶かすことは難しいのですねぇ😞

会社は毅然たる態度で事の解決にあたって
(法的に戦って)もらいたいです。
そうでないと職務を全うしている者が報われませんから。



Skywards



2020年1月17日金曜日

諭す客室乗務員 その ①

戦うシリーズを書いているところに
なにやら物騒なTwitterの拡散希望が流れてきました・・・

「国内線をご利用の方が憤慨されていて怖い」と
スクール生も話題にしていました。

もちろんその場に居合わせたわけではないので
実際はどのようなやり取りだったかわかりかねますが、
苦情を申し立てていらっしゃるご本人が対象のものや人の
固有名詞や顔写真を出されていることに違和感があります。

お客さまの声をお聞かせください

こちらをご利用いただければ互いのリスクなく
建設的な話し合いができたのではないでしょうか。


機内でのお願い

その他の4.に以下の文があります。
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他のお客さまや業務中の社員に対する無断撮影行為は、
周囲のお客さまへのご迷惑となる場合がありますので、
ご遠慮いただきますようご理解とご協力をお願いいたします。 
-----------------------------------------------------------------------------


議論なさりたいのは「荷物の収納」についてかと思われます。


手荷物は適切に収納してください
機内持ち込みお手荷物

こちらをご覧になれば適切な収納の仕方や
ご自身の❝バッグ❞のサイズがどうであったか
確認していただけるでしょう。



日系では手荷物を膝の上や、足元に置いているお客さまに対して
三段階でお声掛けします。


「依頼」
理由をお伝えしたうえで
ご協力いただけるようお願い


「注意」
指示に従っていただけるよう
注意喚起


「命令」
禁止行為をしないよう命令


ただし、地上滑走の時間が短い場合は安全が最優先となるため、
懇切丁寧に説明してはいられないことがあり、
それについてご理解いただけていないのかもしれません。


法律で定められた禁止事項がございます


日系の問題はCAによってお声掛けするしないに
程度差が生じていることでしょう。

Skywards自身も別の大手に搭乗した際に感じたことがあります。
非常口座席の窓側を指定しましたが、通路側の隣の乗客が
iPad(9.7インチ)とスマートフォンを膝の上に乗せており、
シートベルト着用のサインが点灯してから
着陸までの間に寝落ちして、タイヤが接地して急ブレーキがかかった瞬間に
前に落してお見合い席のCAの足元まですごい勢いで滑っていきました。

そうなるだろうと想像していたので何度も「この状態で大丈夫?」という
視線を送りましたが向かいのCAは見て見ぬふりのように感じました。
大きな音が鳴って皆が振り向いていても「どうぞ」と落下物を返却して
地上滑走中にも関わらず支給iPadの操作をしていました・・・


なぜあり得ないと思ったのかというと、その会社はいろんな意味で
厳しいと聞いていますし、自分が在籍した外資系では

Saftey always comes first

そういう企業文化だったからです。


ある便の出発準備中の事例を紹介します。
欧米のお客さまが自分たち(2名)の荷物を上の棚(コンパートメント)に
収納せず、座席座席の間にオットマンのように固定するように置きました。
当然、Cabin Crewは適切な収納をお願いしましたが、
自分たちの座席が中央の4席であることや周囲に空席があることを理由に
拒み続けたのです。

出発時刻を過ぎて、なお、状況に変化がなくLS(エコノミー統括)から
IFS(客室責任者)、PIC(指揮権のある機長)へと報告され、
最終意思決定者であるPICは「Off road」の指示を出しました。

こうなってしまうと一介のCabin Crewはどうすることもできません。

該当のお客さまがいくら懇願しても、安全運航を阻害する
危険な人物であるとの判断が覆ることはありません。
すぐに数名のGSが機内へに乗り込み荷物とともに機外へと
誘導されていきました。

なかには「言うことを聞くってお願しているからもういいじゃないの」
そのように仲裁に入ろうとする日本の方もいらっしゃいましたが
指揮命令が徹底してこそOne Teamなので、その国の航空法について
ご説明差し上げ、やむを得ない判断であることとご理解いただきました。
(二枚舌のような、対応する人によって異なるのでは信頼されませんから)

うなだれるその様子に心が痛まないと言ったら嘘になりますが、
優先されるべきは安全に目的地までたどり着くことです。

そのことを念頭に仕事をしている航空従事者に
日系も外資系もありません。

お客さまのバックグラウンドにも関係なく、共有していただきたいのは
危険性についてなのです。

数日前にマレーシアで起こった桃田健斗選手が乗車するバンが起こした
交通事故を思い出してください。
時速60Kmで走行していたバンが時速30kmのトレーラーに衝突して
二列目に座っていた選手の身体が大きく前のめりになり
顔に数か所の裂傷を負っていましたよね。

飛行機に乗り慣れてしまうとお客さまは安心感を持たれますが、
離陸時の時速は240~300km、事故は離着陸の11分間に集中しているのです。


膝上の荷物が通路などに飛ばされ、
自分自身でなく他の乗客の
避難・脱出の妨げになってしまう恐れがあること

緊急事態では衝撃防止姿勢をとらなければならない、
それは急なことで説明する猶予もないということ



専門職がサービス以外でお声掛けするということは
お客さまに選択肢がほとんどない状況なのです。
諭すように促してもらっているのは、お客さまは神様のなごりでしょう。

そもそも諭されるというサービスをお受けになっているのですから
ご立腹になるの話でもないような気がします。

今回の件は地上の責任者がお客さまの行為に非がなかったと
謝罪したように表現されていました。
もしかしたら早期解決を図ったのかもしれませんが、
その点もつけ入る隙を与えてしまっているように思えてなりません。

担当部署はカスタマーハラスメント(通称カスハラ)に
屈することなく毅然と対応してほしいものです。
当該のCAの方はしばらくヒアリング調査ならぬ事情聴取や報告書類の作成など
乗務復帰は難しいかもしれませんが、堂々としていていただきたいです。

オリンピック・パラリンピックに向け、
本当のおもてなしを日本全体で体現するためにも。




Skywards


2020年1月15日水曜日

戦う客室乗務員 その ②

春節前の気になるニュースから📺

日本への直行便も多い中国内陸部の湖北省武漢では先月以降、
原因不明の肺炎の患者が相次ぎ、新型コロナウイルスが検出され
大きく報道されています
WHOは「大規模に感染が広がっている状況ではない」としながらも、
「家族間など限定的だがヒトからヒトに感染する可能性もある」と
注意喚起をしています。


近代社会においては移動手段の進化と
移送速度の高速化によって、
ウイルスの拡散が短期間で起きるようになっている


いくら航空機にコンバーターやフィルターを装着して
機内の空気清浄をしても、感染者が発症する前に
国をまたいで移動してしまうのですから防ぎようもありません。
日本でも高熱などで入国しようとする体調不良の海外渡航者を把握する
水際対策を始めたばかり。

航空会社としても武漢ステイは外出禁止にしたりするでしょう。


2009年には新型インフルエンザ「A型(H1N1)」の予防対策として、
日系大手航空会社が米国各地や南米からの到着便の客室乗務員全員に
マスクの着用を義務付けがなされたことが記憶に新しいです。

これ以前は2002年に中国広東省で生じた発症例を発端とした
SARS(重症急性呼吸器症候群)では9ヶ月の間に、
32ヶ国において感染発症がありました。現在は大きな流行の再燃はみられません。
当時を振り返ると、感染力が高く急速に増悪する呼吸障害を示す症例が
多数認められたことから、流行地域への渡航自粛勧告がなされるなど
とても慎重な対応がとられました。

その当時Skywardsは個人的な事情からエアカナの感染地であった
トロントへ向かわなければならなかったのですが、
感染と乾燥予防のためにしていたマスクに人々がギョッとした表情で
こちらを見るのでまるで犯人になったような気持ちになりました😱

あとでわかったことなのですが、互いに不可解に感じるのは
感覚の違いによるもので、日本人が風邪や花粉症のときに着用するタイプは
Surgical Mask(外科手術用)であり欧米人からすると
これを着用するのは感染者や医療関係者のみであるはずなのです。

また、顔を隠す行為は強盗などの犯罪者を連想させ、
人々に恐怖心すら与える可能性もあると言われているため、
マスクをする行為自体がタブー視されている面もあります。※

※以下参考
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数年前にオーストリアで覆面禁止法が施行されています。
テロ抑止のため国内では公共の場で顔を認識できない程度、
布等で顔を覆うことが禁止です。警察官の指示に従わず、
その場で覆面を取らない者は150ユーロ以下の罰金が科されることがある。

最近では香港政府が緊急状況規制条例に基づき、
集会やデモ活動で身分の識別を妨げるマスクを着用することを禁止する
マスク禁止規則を制定し、混乱に拍車をかけた。
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MERS(中東呼吸器症候群)は、2012年9月以降、
サウジアラビアやアラブ首長国連邦など中東地域で広く発生している
重症呼吸器感染症ですが感染力は強くないといわれていますが、
収束はしていないようです。

どちらも咳やくしゃみなどによる飛沫感染や、接触感染で感染が拡大します。
このため飛沫を吸い込まないようマスクを装着することが有効とされています。

一方で、マスクをするよりも手洗いをきちんと行う方がウィルス感染を
防ぐ効果が高いともいわれており、

「口の周りや鼻の周りとマスクの間に隙間を作らないこと」
「マスクをしている間は、絶対に手でマスクに触れないこと」
「マスクを取ったらすぐに手を洗うこと」、
「マスクが湿ってきたら、すぐに新しいマスクに代えること」
「一度使用したマスクはすぐに捨てること」

これが一つでも守られない場合、マスクの効果は格段に落ちるそうです。
乗務中とこれらを実践することがいかに難しいかおわかりですよね・・・


このようなことからも航空会社としては
マスク着用の義務づけは状況に応じて
判断していくというスタンス





先日はある大手小売店が「マスク着用禁止」の通達をグループ各社に
突然出したことによって物議をかもしていました💬

価値観や観点の違いから全ての人に良いようにはならないのが、
この手の話です。

出退勤など人混みではマスクを着用する、うがい・手洗いを徹底して、
腸内環境を整える食事を心掛けたり、湯船に浸かり体温を上げる、
睡眠をしっかりとるなど免疫力を上げることで、
業務中にマスクをしなくても大丈夫な状態にしておくことが
仕事のひとつではないかと思いました。


戦うといっても矛先が違っていると、
ただの不平不満になってしまいますよね?




乗務中にマスクをしているとそれでなくても酸素が少ないので、
高地トレーニングみたいな状態になり現場では歓迎されていませんでしたね。
さらにはお客さまの表情もわかりにくい、声も聞き取りにくいで
ジェスチャー大会様相になってスムーズなサービスにはつながらず
無駄に疲れるありさまでしたよ。

それこそ「何との戦いなのか」って皆で苦笑いしながら
体力を強化したのでした😓



Skywards



2020年1月14日火曜日

戦う客室乗務員 その ①

小正月ですね。

しめ縄など正月飾りを『どんど焼き』で年神様をお見送りし
改めて無病息災を祈る時期です。

客室乗務員(Crew /CA)はお客さまに安心して
快適な空の旅をお楽しみいただけるよう日々の健康管理をしています。

機内環境についても細心の注意を払っている訳ですが、
目に見えないものと戦わなければならないので簡単ではありません。

なかでもノロウイルスの感染力は強く、わずかな量が体内に入っても
発病する可能性があります。
乾燥などにも強く、誰もが使う化粧室でレバーや蛇口などに付着し、
そのウイルスが別の人の手に付着して新たな感染者を生み出すなど、
食べ物を介することなく人に感染させてしまうことも珍しくないのです。

冬場を中心に多くの感染者を出すノロウイルスは
食中毒の一つとして知られていますが
人が行きかう空港や飛行機の中では特に警戒が必要となります。

一般的にはノロウイルスに感染すると激しい下痢や嘔吐に襲われ
通常は数日間で自然に回復しますが、特に怖いのはウイルスに感染しながら
激しい症状が出ずに日常生活を送っている患者が少なくないそうです。

そのようなひとりが乗客となり、自分が感染者だという自覚がないままに
ウイルスを拡散させてしまう危険があるのです。

会社としても「人から人への感染対策で重要なのは、
ウイルスを多く含み、感染源となる吐いた物や排せつ物の処理すべき。
また患者の下痢や嘔吐時に飛散したウイルスに触れる危険性が高くなる
トイレも要注意」と認識しており、感染制御の専門家からアドバイスを受け
現場に対策の指示を出しています。


具体的には水で薄めた塩素系漂白剤など次亜塩素酸を浸したペーパータオルで
嘔吐物を処理します。そして便座や蓋周辺だけでなく、
使用者が触るレバーや蛇口などをよく拭き取り、
その後に流水とせっけんでよく手を洗うということの繰り返しです。

同時に該当箇所を他のお客さまから離すための座席移動をお願いし、
ウィルスの飛散を防ぐための処置もします。

機内清掃だけでは不十分なので到着後地上スタッフがさらに該当箇所を確認し、
ウィルスの飛散による二次感染を防止すべく配慮しています。



しかし、どれだけ対策をしていても、こちらも人間。



Skywardsなどは到着して入国審査を終えた後に
空港到着ロビーの化粧室を利用して罹患しました・・・

お客さま優先のため機内でも到着ゲート周辺でも駆け込めないことが多く、
関係者のみ使用可能な場所までは遠いのでより数が多い所を使いがちなのです。

あれは忘れもしないホノルルマラソンへ参加される(された)
お客さまが多い便のスケジュールを忙しくこなしていた12月初め。
金曜日の夕方に帰着し、24時間後に体調不良を感じて休日診療所に駆け込み、
翌日の乗務を欠勤することを担当デスクに電話連絡したところ
病欠の理由・診断書の有無・体調管理不足など、詰問を受けました。

突然の病欠にはスタンバイが対応しますが、直前に呼び出されるのも、
その後のフライトスケジュールが変更になり大変なのはよくわかっているので
正式な診断を待たずに一報を入れたのです。


一番からだが辛い時に。
仕事を休むのは本当に病気であっても罪悪感があるものです。


しかし会社(担当者)は「本当に病欠するのか」
何度も質問してくるのですよ。

「はい、最少人数で乗務しているので動けなくなって他のクルーに迷惑をかけることも、
ワンセット(往復便のメンバー)が全滅するわけにもいかないですから。
なによりお客さまにうつすわけにはいきませんので」
ときっぱり言い切って電話を切り休みました。

担当者は「勤務評価が下がってもよいのか」という意味で
確認をしてくれていたのでしょうけれど、
無理できないから❝意を決して❞申し出ているし、
「グッドコメント5通で相殺してくれたらいいのに(それでもお釣りがくるわ)」
と心の中で叫んだものでした。

パワハラまがいのプレッシャーとも戦わなければならないので
心身ともに健康でなければ務まらない仕事だと言われるですよ。


客室乗務員を優しく見守ってくれる人が増えればよいなと思います。



Skywards



2020年1月8日水曜日

Crewのおすすめ ②

(blogでは初稿となりますので改めて)

新年、あけましておめでとうございます🎌
新しい元号となり最初の正月をどのようにお過ごしになりましたか?
このようなご挨拶も少し時期外れに感じるのは
53週ある一年の『1週間が終わったから』です。

冬期休暇も終わり大学の講義も再開となりましたが、
爆弾低気圧による強風で休講になったところも多いようです。
かく言うSkywardsも自宅待機の末、休講・代講日の調整などしております。

少し前までお節やお雑煮に舌鼓を打っていたはずなのに
時は止まってはくれませんよね。


エアライン業界はというと繁忙期の波はひと段落したものの
1月は天候が荒れることが多いので気が抜けない時期です。

Crewは日々湿度が低い機内環境に対応しているとはいえ、
疲れがたまったり温度差により風邪をひきそうになったりします。
海外ステイではクリニックで受診すること容易ではないので
それぞれに自衛の策を持っています。

Samahan
インター(国際線)のCrewの多くが持っている
アーユルヴェーダ Samahan

スリランカでは、1000年以上も昔から飲まれており、
月に300万個消費されているほど古くから愛されている
スパイスティーです。
日本でいうところの葛根湯のようなものでしょうか。

風邪の兆候が現れたときや、喉の痛みや痒み、
鼻詰まりや鼻水、それから食欲不振に疲労や頭痛、
冷えを感じたらこれが効くのです。

Samahan14種類のスパイスが顆粒状なって
個別包装されているのでお湯に溶くだけの簡単さ。
漢方薬のような香りがしますが、
甘みがあって飲みやすいです。

ストレートよりホットミルクに投入するのを
好む人もいますよ。




処方された風邪薬は眠くなったり、鼻水を止めるためものは
喉鼻の粘膜が乾燥しすぎたりしますよね・・・
(カピカピになって涙目なんてことがよくありました)
そんな心配がないしノンカフェインなので
冬場は1日3~4回のSamahanがお約束
ジンジャーなどのスパイスが喉の奥に染み渡って復活できます。

飲み始めたらこれなしのFLT生活は考えられないくらい
風邪撃退に役立っているとCrew界隈では人気です。

うがい・手洗い・加湿だけでなく別の予防法をお考えの方は
国内でも取り扱いがあるようなので探してみてはいかがでしょうか☕



こちらも生姜、おすすめです。
⇩⇩⇩(続・続)咳を止めたい!



Skywards