2016年11月14日月曜日

Crewが最も怖いのは・・・

先日、JAL鹿児島発(B767-300ER型機)の機内でCAが転倒し負傷という
残念なニュースがありました。
報道のみでしか状況を知ることはできませんが、
負傷された方の一日も早い回復をお祈りします。


離着陸時に限らず、飛行機は揺れるときは上下・左右によく揺れます。


「怖くないですか?」との質問がありましたが、
Crewが最も怖いのは「立ち歩くお客さま」



特に冬のホノルル線は揺れる路線として有名で、サービスの中断を余儀なくされることも
しばしば。
これは、夏の間は航路より北を西から東に向かって吹いている偏西風(Jet Stream)が
冬になると南下するためです。

北半球を蛇行して新幹線並みのスピードで吹く偏西風に乗ると、早く飛ぶことができ、
成田からだと6時間かからずにホノルルに到着することもあります。
経験上の最短飛行記録は5時間35分。逆にホノルルから成田へは最長9時間10分。
同じ飛行距離で4時間近く違うことからも、いかに風が飛行機のスピードに影響するか
お分かりいただけるでしょう。

一方、この気流によっては飛行機を❝木の葉が舞うような状態❞にさせるのです。
これまで投入されていたB747-400型のような大型機材が退役し、中型機であればなおさら
後方部は揺れます。

また晴天乱気流(Clear-Air Turbulence)は、雲のような視覚的な兆候がまったく特に危険。
この❝エアポケット❞では立ち歩いている人やMeal Cartのような重いものでも
一瞬のうちに天井へたたきつけられることもあるのです。
テーブルの上に置かれていたMeal tryなどが散乱するだけでなく、
むち打ち状態になったり、飛んできた人や物が当たって死傷する事故も発生しています。

Cabin Crewはそのようなことにならないよう、注意喚起する義務があります。

もちろん自分の身を守りながら。。



以下参考
www.mlit.go.jp/pubcom/07/pubcomt7/01.pdf
https://www.singaporeair.com/ja_JP/jp/travel-info/special-assistance/travelling-with-children/


エアポケットによる事故を防止する航空機搭載用のシステムは開発されており、
Cockpit Crewへ乱気流情報を提供するシステムも合わせて開発が進んでいますので、
必要以上に怖がることもありません。

スムーズなFLTと楽しいご旅行を実現させるためにも、
どうかシートベルト着用の指示はお守りくださいね。





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