2019年3月23日土曜日

「ありがとう」の言葉

この時期の皆さんは日中は説明会に足を運び、
夜遅くまでESを書き進めてらっしゃることと思います。

添削をしていると「ありがとうと言われたい」という
志望動機をよく見かけます。
どうでしょう、この10年程はSNSの時代で承認欲求を満たそうとする
若者が増えたことが要因なのかもしれません。

せっかく他の設問にはよいものが書けているのにもかかわらず、
ESの提出日が重なる時期になってくると志望動機が
企業HPのキャッチコピーを借りてきた内容だったり、
自分の志をありきたりな言葉にしてしまう、残念な状態です。


お先にどうぞと順番を譲ってくれた、扉を開けたまま押さえていてくれた
このような「挨拶程度のありがとう」。
あなたのおかげ、あなたがいたからこそ、あなたに救われたなどと
「心からのありがとう」。
「言葉にならないありがとう」のお気持ち。

「ありがとう」の種類は限りなくあるとも言えますね。


実際にサービス業であってもなくても、
自分がした仕事に対して「ありがとう」の言葉をいただけると
本当に嬉しいものです。
しかしそのお客さまからの「ありがとう」を期待して続けていると
やがては疲弊してしまいます。

機内でもよかれと思ってしたことにお客さまの反応が芳しくないとか、
無反応とか、お叱りを受け心が折れそうになることばかりなんです。
そもそもお客さまは千差万別だし、さまざまなご事情があるのだから、
無理やり笑顔にさせようとするのはおかしいですよね?


普通の感覚では自分のために何かをしてくれた人に対しては、
感謝の気持ちとともに、申し訳なさが生まれるものです。
立場としては、「してくれた人」が上で、
「してもらった人」が下にならざるを得ません。

エアラインと利用した人のコメントを拾ってみてください。
親切心からだといわんばかりの態度や
過去の成功体験から同じ場面として対応する・・・
あなたの恩着せがましさをお客さまは見逃してはくれないのです。
あなたがそんなつもりはなかったとしても、
お客さまが感じられたことが全ての世界です。

「自信がないから誉めてもらいたい」
この気持ちで誰かに感謝されることを望めば
自分で自分を追い込んでしまい辛くなるのが
サービス・ホスピタリティーの世界なのです。

お客さまだけでなく、先輩や上司からも
簡単には褒めてもらえないと感じるでしょう。
なぜなら皆が高みを目指しているし、それは無形なのですから




「感謝されたい、褒められたい」という理由に近いものとして、

「自分の評価、評判を高めたい」というものがあります。

恩着せがましい人は、自信がないために自分の評判や評価を高めたいという
心理が強く働くことになります。
自分の評判が高まることで自信を持つことができるので、
自身の評判を高めることに人一倍一生懸命となります。

これでは刻一刻と変化していくお客さまの感情に触れることなど
できるはずがありません。


採用担当者は熟知しています。


キャリアコンサルタントとしての力量が問われるところですから
自己実現ばかりを主張するのはいかがなものでしょうか、
という趣旨の指摘(関係性において強弱をつけながら)をすると、
あたかも否定されたかのように捉える学生が少なからずいます。
残念ながら拒否反応を示す学生には、サービス業は厳しいかもしれない、
『性格テスト』にこの部分が出現してしまうだろうと危機感を覚えます。
向き不向きについて言及しませんが、すべて審査されての合否判断ですから
この自己愛を違う形で表していきたいものです。


E
S作成をきっかけに、
社会人として

『どのような価値を創造し、提供するのか』
そのために『どのような努力が必要なのか』
自問自答



そして「心の機微に敏感な人である」や

「機微に敏感だからこそサポート役にはぴったり」などと

「ありがとう」の言葉を使わずに表現しましょう。

きっと通過するESになりますよ。


いまの自分を守るのでは本末転倒。
自分を諦めないで、未来の自分を育ててあげてください。
さあ、もうひと踏ん張りです。




Skywards


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