2019年4月1日月曜日

Crewのお気に入り ②外板


新年度は新元号『令和』の発表とともに始まりました。
新社会人となられた方々、平成世代も昭和世代に習い、
一人前の職業人として長く愛される人であってくださいませ。

節目節目では、時代には抗えないと実感します。
先日は政府専用機が退役したというニュースが流れました。



今回、シグナスはJALによる整備も素晴らしく、
まだまだ現役として活躍できるため売却となりました。

航空機を退役させる理由は、経年による整備費の増加、
客室の陳腐化(インテリアやシートの改装費)や燃費など
経済的要素が大きく、構造そのものの限界ではありません。
そのため中古市場に出されて第二の人生を送ることになります。


前にも書きましたがJAL機材だった『JA8117』は
その後、NASAでスペースシャトルの輸送機になり、
整備のよさに感激したNASA側はJALへ感謝状を贈ったほどです。

では役目を終えた飛行機はどこに行くのか・・・

世界には「飛行機の墓場」と呼ばれている空港がいくつもあり、
寂しい場所に置かれる運命なのです。


個人的にはB747型シリーズでCrew人生をスタートさせましたので想い入れが深く、
解体されるのは悲しい気持ちになります。

そのような話をしていたら、昔なじみの機長から「こんなのがあるよ」と
教えてもらい手にしたのがこちらです。

自分が乗務した機材の一部

胴体部分の外板(アルミ合金)を加工したキーホルダーです。
シリアルナンバーが刻まれた限定品。
塗装状態や傷など全てが同じ状態ではないからこそ、本当に一点もの。
厚さがいかにもB747ー300なのです。
(わかる人にはわかるはず!)

いつも乗務する機材に乗り込むときには
「今日も安全運航、一緒にがんばろう、よろしくね」と心の中でつぶやいて
ドアの近くの外板部分に触れていたことを思い出しますし、
とても愛おしいのです。

職場であったというよりも、もうね、❝同士❞って感じなのです。


このB747-3001983年にアメリカ籍の登録でJALにデリバリーされ、
1998年にJALが買い取り日本籍『JA813』での登録でした。
2010年の日本航空破綻と同時にアメリカのSouthern Airに売却され『N818SA』
翌年の2011年には現役を退いて一部はこのような形で誰かの手元に残り、
大部分は砂漠で眠っているようです。

他にも乗務したB777-200A330-300機体番号で探したものの
個人輸入したアメリカのショップでは見つけられませんでした。

ただ驚いたのはトリトンブルーが販売されていたこと。そうANAバージョン。
ANAでは1996年から2016年まで国内線、777が尾翼にあった機材の
JA8199』が解体されていた事実に衝撃を受けました。
20年働いて、一年数ヶ月後にはキーホルダーに...
きっと何かがあったのでしょう。
どこからも引き取り希望がなくNH9434便名で最後の飛行として
砂漠に向かったのかと想像すると寂しいですよね。

特別な便名




やっぱり旧政府専用機には日本の空から去っても
愛してやまないファンのために、
世界のどこかで元気でいてほしいと願うのでした。


Skywards



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