2019年4月6日土曜日

動画に痛恨のミス?

提出直前ではありますが、気になって仕方がないのでここで確認を⚠




これまで大学回りで接してきた学生達に動画チェックを求められますが、
「企業側が何を求めているのか」を理解していらっしゃらないが多いようです。

ある大学では「自分にキャッチコピーをつけなければならない」という噂話が
まことしやかに伝わって、「みんな印象付けるために、そうしてるよ」
「キャッチコピーは入れた方がいいよ」と親切にもアドバイスをしていました。

学生には「え?みんなと同じが正解ではないよね」と伝えましたが、
そのような不安を煽るような噂に惑わされる人は大変だなぁと心配になりました。
噂を流す人も、他を蹴落とすつもりで言ってはいないのでしょうけれど、
入社できたとしても周囲から面倒がられるタイプとして存在していくだろうなと
思わずにはいられません・・・💧


話しを戻します。


就職試験で必ず求められる『自己紹介』と『自己PR』ですが、
頭ではわかっていたはずなのに、ES提出や面接が重なると
いつの間にかすり替わっていたりするものです。
自己紹介』と『自己PR』は全く違ったものであり、
企業側はそれぞれに違った内容を求めています。

ANAの指定は『自己紹介 動画』

ご自身の経歴を要約して、簡潔に話すべきでしょう。
セールスポイントのアピールではなく、
話したい内容に興味を持ってもらえるように
フックを掛けるキーワード程度がよいですね。


いまいちど動画用のスクリプトを見直してみてください。
「自己PRを簡略化したもの」になっていれば、再考することをおすすめします。



印象管理はいうまでもありませんね☝


Skywards

コックピット・ブリーフィング

しばらく大学講座、内定者研修、新入社員研修、
スクール生とESや面接対策に明け暮れていたので
お仕事紹介シリーズがご無沙汰してしまっていました。


先日、飛行機でのご旅行なさった方にご質問いただき、
ブリーフィング(業務の打合せ)のことをお話しました。

内容は「CAは飛行中、現在地を知っているのか」というもので、
団体旅行でLCCを利用したのだけれど、窓の外に見える山脈を確認したくて
CAに聞いてもわからない様子だったとのこと。
JALANAじゃないから仕方がないのだけれど…」と
とても残念だったそうにしていらっしゃいました。

山の名前はわかる人とわからない人はいるかもしれません。
日本列島の地図が頭に入っている場合は簡単に答えられるでしょうし、
そういうのは疎いからと逃げる人もいるでしょう。
エアラインがどこかというより、そのCAの質の部分かなという気がします。

通常、自分が乗務する日の天候またそれを調べるためやアナウンスを作るため、
当該便のおおよそ飛行経路は確認して出社します。
昔はNHKの世界のお天気を見たり、今ではネット調べるといったことです。


空港内もしくは隣接した自社ビルで、キャビン・ブリーフィングを行い、
機内でコックピット・ブリーフィングが行われるのが通常。
コックピットクルーもディスパッチャー(運行管理者)と
出発前ブリーフィングを行い、そのフライトプラン(飛行計画)に沿って
キャビンクルーと現場で打ち合わせを行うのです。

ここからCAはPIC(機長)の指揮下に入ります。

  • 自己紹介(担当ドアと名前)
  • 飛行時間
  • 時速と高度(巡航高度)
  • 飛行ルートと主な場所の通過時間
  • 航路上の天候
  • 揺れの予想とその地点
  • 使用予定の滑走路
  • 使用ゲート(スポット)
  • 危険物搭載の有無
  • 目的地の天候と温度

保安に関する事項は
  • 出発地、経由地、目的地の非常時体制
  • 操縦室の施錠・開閉方法
  • 操縦室と客室間の連絡方法

おおまかにはこれらの情報伝達と確認作業をしていきます。
緊急時の手順がありますから、FO(副操縦士)と一緒に脱出とか、
特別客についてもどの座席にいるのか把握しておく必要があるからです。
VVIPやVIPが搭乗される便であれば、ゲートだけでなくエプロンで式典があることも。
それ相応の(レッドカーペットなど)を整えるため
通常より出発または到着が早め、もしくは遅めになるなども伝えられます。


例えばNOTAM(Notice To Airmen)で王室や国家元首など重要人物が搭乗した機の飛来による到着空港の一時閉鎖など
臨時情報が発行されていれば、OCC(オペレーションコントロールセンター)によって離陸を遅らせる判断をし、
可能な限り到着予定時刻に近づけるよう気象状況など勘案したうえでMTT(ミニマムタイムトラック)選定しています。


単にメモするだけでなく、『このような場合はこのように』と
訓練で習得したことをさらにその便に置き換えて
イメージトレーニングをしている訳です。
揺れが予想される地点などはしっかりと頭に叩き込みます。
これを基準に逆算しながらその便のサービスを組みます。

A地点からB地点にお客さまと貨物を安全かつ定時性を守りながら、
快適に移動もしくは輸送するのが使命です。
いつも緊張感みなぎるブリーフィングではありますが、
ジョークを言って和ませる方もいらっしゃいます。
機上ではクルーがお互いに助け合うことができる環境が非常に重要だからです。


このように、お客さまと時を共有させていただくにあたり、
各自がそれぞれの立場で最善を尽くしていることを知っていただきたいのです。


どの地点を飛行中で、どのような景色が窓の外に見えるのか。
お客さまからご質問をいただくだけでなく、会話のきっかけになりますから、
知識として持っているべきものだと思います。
もちろん、プロフェッショナルですから緊急事態においては
陸上か洋上かによって自分がとるべき行動が変わって然るべきなので、
意識したことがないとしたら残念なCAとしか言いようがありません。


ここをご覧の志望者の方々は
どのようなCAでありたいですか?


キャビン・ブリーフィングについてはまたの機会に書きますね。


Skywards


2019年4月1日月曜日

Crewのお気に入り ②外板


新年度は新元号『令和』の発表とともに始まりました。
新社会人となられた方々、平成世代も昭和世代に習い、
一人前の職業人として長く愛される人であってくださいませ。

節目節目では、時代には抗えないと実感します。
先日は政府専用機が退役したというニュースが流れました。



今回、シグナスはJALによる整備も素晴らしく、
まだまだ現役として活躍できるため売却となりました。

航空機を退役させる理由は、経年による整備費の増加、
客室の陳腐化(インテリアやシートの改装費)や燃費など
経済的要素が大きく、構造そのものの限界ではありません。
そのため中古市場に出されて第二の人生を送ることになります。


前にも書きましたがJAL機材だった『JA8117』は
その後、NASAでスペースシャトルの輸送機になり、
整備のよさに感激したNASA側はJALへ感謝状を贈ったほどです。

では役目を終えた飛行機はどこに行くのか・・・

世界には「飛行機の墓場」と呼ばれている空港がいくつもあり、
寂しい場所に置かれる運命なのです。


個人的にはB747型シリーズでCrew人生をスタートさせましたので想い入れが深く、
解体されるのは悲しい気持ちになります。

そのような話をしていたら、昔なじみの機長から「こんなのがあるよ」と
教えてもらい手にしたのがこちらです。

自分が乗務した機材の一部

胴体部分の外板(アルミ合金)を加工したキーホルダーです。
シリアルナンバーが刻まれた限定品。
塗装状態や傷など全てが同じ状態ではないからこそ、本当に一点もの。
厚さがいかにもB747ー300なのです。
(わかる人にはわかるはず!)

いつも乗務する機材に乗り込むときには
「今日も安全運航、一緒にがんばろう、よろしくね」と心の中でつぶやいて
ドアの近くの外板部分に触れていたことを思い出しますし、
とても愛おしいのです。

職場であったというよりも、もうね、❝同士❞って感じなのです。


このB747-3001983年にアメリカ籍の登録でJALにデリバリーされ、
1998年にJALが買い取り日本籍『JA813』での登録でした。
2010年の日本航空破綻と同時にアメリカのSouthern Airに売却され『N818SA』
翌年の2011年には現役を退いて一部はこのような形で誰かの手元に残り、
大部分は砂漠で眠っているようです。

他にも乗務したB777-200A330-300機体番号で探したものの
個人輸入したアメリカのショップでは見つけられませんでした。

ただ驚いたのはトリトンブルーが販売されていたこと。そうANAバージョン。
ANAでは1996年から2016年まで国内線、777が尾翼にあった機材の
JA8199』が解体されていた事実に衝撃を受けました。
20年働いて、一年数ヶ月後にはキーホルダーに...
きっと何かがあったのでしょう。
どこからも引き取り希望がなくNH9434便名で最後の飛行として
砂漠に向かったのかと想像すると寂しいですよね。

特別な便名




やっぱり旧政府専用機には日本の空から去っても
愛してやまないファンのために、
世界のどこかで元気でいてほしいと願うのでした。


Skywards