準備は様々あるけれど、エバー航空の訓練を乗り切るポイント。
それは・・・
まず社風から。
エバーグリーン・グループは「挑戦・革新・団結」の企業理念の下、
安全で迅速な飛行・親切で行き届いたサービス・効率のよい革新的な経営をしています。
創業者、長榮發氏は東日本大震災の発生時に
多額の義援金を送ってくださったことで有名、皆さんもご存知かと思います。
日本統治下の台湾生まれ、18歳で日本の海運会社に就職した
故人の社員教育は日本式。
友人のタイ人客室乗務員(エバーでベテラン)が言うには、
台湾人であっても厳しさについてこれず、早期に離脱する人もいるとか。
長氏には
「細部にわたって気遣いがある人こそ会社の力」
と面接の指示逸話があるほど。
業界ならではの事柄に慣れれば、台湾人はおおらかな国民性だし親日家も多いので
とってもやりやすい、同じ隣国でも彼の国とは異なるようです。
昨年入社(14期)のFさんにお話を伺いましたので、参考になさってください。
≪訓練期間≫
3ヶ月(2017年4月~7月)
≪特徴≫
南崁の本社(グリーンの建物、内部もグリーンを基調にした設備)に訓練所は隣接。
松山・桃園両空港にはオペレーションセンターがなく、
本社に出社しブリーフィング実施。
コックピット・キャビンともにクルーバスで移動するため、
先輩社員の様子がよくわかる。
マニュアルはipad支給ではなく、各種バインダーで配布されるので学習はしやすい。
初期訓練でビジネスクラスまで実施のため、かなりのテンポで英語の授業が進む。
一瞬でも気を抜くと迷子状態になる。
ServiceもSafetyも『中国語重視』、習得が必須。
10日で150の単語を暗記、
オーラルテストもある過酷さ。
オーラルテストもある過酷さ。
ほぼ毎日、前日学習したことの筆記・実技テスト(33項目程度)、
ビジネスクラスで提供する酒類が多く、覚えきれない人続出。
Beauty lessonが唯一ほっとできるぐらい。
後半はケータリング工場・保税品・免税品見学・ 実機見学(A330)があり
OJTに向けモチベーションアップ。
なにより訓練中は共同生活が過酷。
ドミトリーで同期4人一組でルームシェア。
一見きれいだけど、ゴキブリが徘徊するのだそう・・・
(南国にはありがちな光景💀)
(南国にはありがちな光景💀)
毎日平均4~5時間程度の睡眠、テストは三回目で合格できなければ強制帰国。
国内エアライン出身者も苦労していたとのこと。
Re Check、Re-Re Checkとそれぞれ立場や追い込まれる状況が違うので、
互いにストレスからイライラする時期もあって殺伐とした雰囲気になることも。。
聞いたことを整理すると、
✔ 新卒者は学生気分で学習するが、就業意識の醸成が課題
✔ 社会人経験者は自己主張を押さえ、業界への適応が課題
✔ 他社経験者は文言などの違いを完全マスターすることが課題
訓練環境から学生感覚や友達感覚に陥ると女性独特の嫌な感じになるので、
大人になることが大事。
繁忙期のOJTでは会社側のスケジューリングが上手くなく、
一緒に抗議したりして、結束力が強固なものになっていく不思議。
(というか、丸く収めるためには❝仮想の敵を作る❞ことが大事だったりするよね~)
さまざまなことを乗り越えて、本当の意味で同期(戦友)になれるし、
終わってみればCrewとしては必要な試練だったと感じる。
Line Out直後から、日本人が独りでアナウンスを担当するなんてこともある。
当然、免税品販売も主力。日本路線でよく売れるため、4時間半立ちっぱなし。
学姐に迷惑を掛けまいとテンパってかなり疲弊。帰宅後は一歩たりとも動けないとか。
2ヶ月後にGLY(ギャレー)、3ヶ月後にA321訓練が2日間あり、
地方の担当路線が増える。
同期と情報交換して一番楽しい時期。
7ヶ月後にB777訓練があるけれど、それぞれヨーロッパ・アメリカなど
日本路線以外にも乗務するようになり、
同期と一緒とは限らず自立の時期を過ごしているのだそう。
日本ベースといっても、ホームベースの台湾にいる時間が多いので、
現地の人とのコミュニケーションが円滑でないと何かと不便。
だからといってと油断していてはいけません。
日本人もクラスリーダーまで昇進することもできますが、
月90~100時間の乗務と結構ハード。
中国語のマスターが
自分自身を守るための条件です。
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