2017年2月21日火曜日

訓練離脱の話


いつの時代も、訓練途中で離脱する人は存在します。

理由はさまざまですが、おおよそ以下にまとめられるようです。


国内の場合、
企業研究・分析が不十分(憧れの要素が強く作用し、見るべきものが見えなかった)
  • 企業イメージを膨らませ過ぎていた
  • 独特の企業文化に面食らった
  • 労働環境からブラック企業に感じた


外資系の場合、
海外で働く覚悟(親の死に目にも会えないなど)できていない
  • 家庭の事情で帰国せざるを得ない
  • その国の文化・習慣になじめない
  • 精神衛生上の問題で体調不良
  • 語学力が圧倒的に足りなかった



真偽のほどは定かではありませんが、
日本代表でも大活躍のあるプロサッカー選手が欧米に移籍したものの環境になじめず、
ホテルの部屋からほとんど出てこないと報道されています。
クラブ医療部門が、体調不良の原因について「不安障害」の可能性を指摘とありました。



昨年、外資系エアラインで同様の残念な話を耳にしました。


エアラインの訓練にはいろいろありますがIATAなどの基準に基づいて行われています。
外資系であれば現地の言語が母国語でない日本人には英語で行われることが一般的。
初めて見る英単語(特に医療用語)を量だけでなく、実践的に覚える必要があります。
しかも短期間に。
Safety Emergencyは訓練の中でも最も重きを置かれていて、
そのシュミレーション試験に合格しなければ強制帰国という厳しさです。

これは保安要員での採用のため、外資系に限らず当り前といえば当たり前。
お客さまに最高の笑顔を見せるために必要とは理解しつつ、パニックに陥る
日本人訓練生がいたそうです。
『訓練中に突然泣き出し、数日間ホテルに引きこもったまま出てこない』、
また遅れから『次も落ちたらどうしよう』という不安から頭が真っ白になって
冷静になれば分かるはずの問題がわからなくなるという状態だったようです。

同期もフォローをしたくても、自分自身で精いっぱいでもある。
せっかく採用したのだからと言う温情で会社側がチャンスを複数回与えてくれていても、
さすがにこういう状況になると保安要員としての資質に疑問符が付き、
教官だけでなく現場責任者の目も厳しくなり、ますますプレッシャーがかかるという悪循環。
結局、OJTにおいてもチェック項目をクリアできず訓練生バッジが取れることなく、
本人の意向により退社となったそうです。



日本人は勤勉・優秀という評価がある一方、「こんなはずじゃなかった」「私の理想と違う」
と明らかに覚悟ができていないまま入社する方がいるのも事実。
このようなことが重なると、採用側も対策を練る必要があり、次の採用から契約書に
訓練期間中の経費を返金請求するなど、違約金の項目が設けられたりします。
要するに自分の行動によって後の者が苦労することにもなりかねない、
ということは知っておいていただきたいものです。

外見重視の採用、職種に対する心構えのないまま採用試験に合格した場合、
こういった残念な途中離脱があるように思います。

親世代のように仕事のために家族を犠牲にしても構わないという、
モーレツな働き方を強いられることも少なくなって、
多様な価値観と生き方が受容される豊かな社会が広がっている。

それ自体は否定しません。

しかしそんな時代だからこそ、
たゆまぬ努力と計画性が
求められているのではないでしょうか。



一見優雅に見える白鳥も、
水面下では激しく足をばたつかせ、
必死にもがいているんです。

そんなCabin Crewだから制服を着ている姿が凛として美しいのですよ。


Skywardsはそんな若い白鳥を応援します!



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