世間を騒がせていた副操縦士の飲酒問題。
JAL副操縦士、英国で拘束 乗務前アルコール検査で基準大幅超過
JAL、逮捕の副操縦士がマウスウォッシュ使用 酒臭さ消すためか
英国「Railways and Transport Safety Act 2003」に法令違反をしたわけですが、
会社の記者会見にあったように、マウスウォッシュを使って意図的に
偽装工作をしたのだから数ヶ月から一年のJailedになる可能性が高いとのことです。
(現地での裁判は29日)
エアラインによって異なりますが8時間または12時間前から飲酒は禁止です。
ただし飲酒に関する規定や罰則は日本以外の先進諸国は厳しいところが多く、
国際線乗務であれば知っておかなければならないにもかかわらず、このありさま。
「ライセンスさえあれば他国のエアラインでも活躍できる」
「日本の航空会社は緩いから大丈夫だろう」という考えが、
この副操縦士にあったのなら自業自得なのかもしれません。
(アルコール依存症でであれば専門的な治療が必要)
それだけでなく気になったのが乗務編成と勤務時間の上限について。
該当便は2名でLHR/NRTを運航したそうですが、あり得ない。。
12時間以上の飛行時間があるLong haulはMulti Crew体制ですし、
機長たちがDuty timeを知らないなんて考えられないからです。
ましてや同乗予定者が飲酒容疑で連行された現場(Cockpit)にいたわけですし、
相互確認を怠った自分たちという責任問題があるストレス下。
通常の精神状況でないにもかかわらず乗務させるなんて、安全上、大問題でしょう。
運行管理者が本社に指示を仰いでいるはずですし、
JCAB(航空局)も知らないはずはないでしょうから、
なんらかの力が働いていると推察されます。
外資系にもよりますが、お世話になったエアラインのキャプテンたちは
本国だけでなくFAAやEASAの規定を把握しているので、
当然のように拒否権を行使しました。
FLTが満席であってもDLYやCXLになることがあり、当時は戸惑いましたが、
PICとして賢明な判断だったと思います。
これから業界に進まれる方々には、法令順守※はすべきものであって
誰かに言われてやるのもではないことを肝に銘じていただきたいです。
※complianceとは「要求・命令などに従う」という意味で、complyという動詞から派生した言葉。
complyそのものは「守る、応える」などという意味の動詞で、「満たす、充足する」と訳される
ラテン語のcomplereが語源。
自分の身はご自身で守れるように。。
想像以上にグレーな空の世界です。
プロフェッショナルとして会社と対等に話せるBossのもとで
FLTしてもらいたいと心から願っています。
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